2017-03-24 08:37:23 日中国交正常化45周年記念講演会成功裏に開催

       ――参加者が120名を超える盛会に――

 2017321日午後2時から5時半まで東日本漢語教師協会主催、日中翻訳家協会共催の日中国交正常化45周年記念講演会が日本大学経済学部7号館7041教室で開催されました。会は東日本漢語教師協会事務局長の段瑞聡慶応大学教授の司会で進められました。

 最初に東日本漢語教師協会会長呉川日本大学教授は開会の辞で協会のこれまでの取り組みを紹介するとともに文化交流において翻訳が果たす重要な役割を具体例を挙げて指摘し、今回の講演会への期待を表明しました。

 来賓の中国大使館公使参事官胡志平先生はご自身が今回の講演者の徐一平教授と同じ北京外国語大学で学び、翻訳にもとり組んだ経験があることを語り、東日本漢語教師協会の活動と今回の講演への期待を表明されました。

 講演1「日中翻訳から見た言語と文化の問題」と題した徐一平北京外国語大学教授の講演は、翻訳は文化と文化をつなぐ「黄金の鎖」という指摘からはじまって、魯迅の翻訳に対する姿勢、厳復、銭鐘書、傅雷、ユージン・ナイダの翻訳についての見解を紹介、言語は基本的に翻訳は可能だが、文化には翻訳不可能なところがあることを、単語、語句、文などのレベルの表現から文学作品、とりわけ俳句の翻訳などを例に挙げて精細に論じられ、翻訳という文化と文化をつなぐ仕事のもつ意義を明らかにされました。徐教授の講演は示唆に富み、挙げられる例と巧みな日本語の表現に会場はしばしば感嘆と共感の笑いに包まれました。コメンテーターの続三義東洋大学教授、金曉明中日翻訳家協会会長、盧濤広島大学教授のコメントもご自身の翻訳の経験、翻訳の難しさと面白さをユーモアたっぷりに指摘して、それぞれ興味深いものがありました。

 講演2「『微型小説』の翻訳と中国語教育への活用」と題する塚越義幸國學院大學栃木短期大学教授の講演は、1972年の日中国交正常化のため訪中した田中角栄首相が披露した漢詩の問題点の指摘からはじまって、ご自身が芭蕉の俳句と中国の古典文学との関わりを研究してきたこと、また中国の微型小説の翻訳にとり組んできて今回『凌鼎年ショートショート選――もう一度若くなって』という翻訳を研究会の仲間とともに刊行、著者を迎えて出版祝賀会を開催したこと、中国語の授業においても微型小説を教材として学生に翻訳させてきたこと、などを先行研究に詳細に触れながら話され、ご自身の作られた今回の講演会を祝う漢俳を披露されて話を結ばれました。高橋弥守彦大東文化大学教授、陳淑梅東京工科大学教授、劉勲寧明海大学教授のコメントはそれぞれ塚越教授の講演を評価するとともに中国語教育における微型小説の有用性と可能性を指摘するものでした。

 講演会は渡邉晴夫東日本漢語教師協会副会長の閉会の辞で終了しました。閉会後も会場は熱気に包まれ、参会者が言葉を交わし、交流する様子が随所に見られました。